摘出組織

PowerLabシステムは生理学、薬理学的な特質を様々な種類の摘出組織実験を用いた研究に応用できます。主な摘出組織としては、骨格筋、動脈筋、心室筋、横隔膜筋、動脈血管、切片、輸精管、回腸、結腸の平滑筋などが使われて研究されています。


ティッシュ/オーガンバス


ADInstruments社は4、8、16のティッシュチャンバーを備えたオーガンバスを揃えていますので、これらを使用して薬理学、毒性学、生理学などのデータが簡単に素早く記録、解析できます。各システムの構成には次の2つのタイプがあります。


1. Modular Radnotiティッシュ/オーガンバスの特徴:

  • コンポーネントの追加、交換が簡単
  • 温度を一定に保つためのウォータジャケット式ティシュオーガンバス
  • 恒温循環槽とウォータジャケットチューブが灌流温度を一定に保持
  • バス容量は5~300mL

ADInstruments社リサーチシステム(ML870B60, ML870B61, ML880B62) にはPowerLab、Radnotiティッシュオーガンバス、ブリッジアンプ、アイソメトリックトランスジューサが含まれています。


2. コンパクトサイズ、一体型オーガンバスの特徴:

  • 1台の温度制御バスにティッシュチャンバーと灌流ウォーミングコイルが装着され一体化
  • 各ティッシュチャンバーの給排水が個別にも、同時にも可能
  • コンパクトな設計なので、省スペースで有効活用

ADInstruments社のリサーチシステム(ML870B5, ML870B6 or ML880B7) にはPowerLab、オーガンバス、アイソメトリックトランスジューサ、ブリッジアンプが含まれています。アイソメトリック、アイソトニックトランスジューサからの信号は増幅が必要です。ADInstruments社ではソフトウェアで制御する、広範囲のフィルター設定を装備した1連、4連、8連ブリッジアンプを取り揃えています。


高電圧スティミュレータが必要な実験では、PowerLab出力を使ってトリガー信号を生成しスティミュレータの周波数とパルス発生時間を設定します。PowerLabではTTL対応デジタル出力を介して灌流、シリンジポンプ、オートインジェクタなどをコントロールできます。


様々な種類の組織や実験に対応した各種刺激電極が揃えてあります:

  • 組織小片用ステンレス、及びプラチナ製のシングル、ダブルリング電極
  • 組織小片とらせん体用の直線電極やジグザグ電極
  • サンプルが非常に小さい場合に使用するコイル及びフラット電極
  • 血管リング標本用L型電極

標準8誘導マウスECG記録

標準8誘導マウスECG記録

標準8誘導マウスECG記録

ラットの子宮筋の自発収縮活動 (左)。筋を前収縮させるKCl がコメント4で添加投与されています。サブルタモールの濃度増加が累積的弛緩を起こしています。上右図: GraphPad Prism®を使って作成、解析されたドーズレスポンスカーブ。

標準8誘導マウスECG記録

上図:ラットの摘出hindquarter(後四分体)標本で記録した脈管圧反応。標本は蠕動ポンプを使って生理食塩水で灌流されます。 ノルエピネフリンの注入(コメント挿入行に記録)が脈管圧反応を誘因。灌流圧(上のチャンネル)を連続して記録し、最大パルス圧が下のチャンネルで演算、ディスプレイされています。右図:”データパッドに複数追加”(オフライン)や”時間ごとにデータパッドに追加”(オンライン)を使用すると、データパッド(右)にデータを取り込みます。