マウス実験例

疾病のモデリングに遺伝子組み換えやノックアウトマウスを使用して、それらのモデルをフェノタイピング(表現型化)する必要性が高まっています。ADInstruments社は遺伝子組み換えやノックアウトマウスを使って様々な種類の生理的パラメータを研究するのに最適なインビボ、インビトロ実験システムを提供しています。


脈管圧と心内圧


Millar社製圧-容積測定用カテーテルとPowerLabを使用して記録した心 室圧ー容積

Millar社製圧-容積測定用カテーテルとPowerLabを使用して記録した心室圧ー容積。 データ提供;Dr. Pacher、National Institute of Health、 NIAAA、Laboratory of Physiologic Studies、USA

動脈血圧測定にはADInstruments社の血圧トランスジューサが使用できます。マウスの心室圧測定用にはMillar Instruments社の小型で高周波数特性なマウスMikro-Tipカテーテルをお勧めします。血圧トランスジューサとMikro-TipカテーテルをADInstruments社のブリッジアンプに接続し、信号の増幅とフィルタ処理を行います。


マウス心室圧ー容積システムはMillarInstruments社の圧伝導カテーテルを使用し、心室圧ー容積の変化を測定します。このシステムにChartとPVANソフトウェアを使って最大30の心機能パラメータが収録、演算できます(8頁参照)。


生体電位の測定


標準8誘導マウスECG記録
標準8誘導マウスECG記録


ECG、EMG、EEG測定には針電極とバイオアンプを使用します。ChartソフトウェアとHRVモジュールが心拍数変動の検出、ディスプレイ、解析機能を提供します。ECG Analysisモジュールを使用すると、リアルタイムでも収録後でもECG信号の各ビートの検出、解析が可能です。


心臓または経食道からECGを測定するには、Millar Instruments社の超微小電気生理学カテーテルとADInstruments社のバイオアンプ(ML132、ML135、ML408)を使用します。


心拍出量


Cardiac Output (心拍出量)システムは温度希釈技法で心拍出量を測定するのに理想的なシステムです。小型の温度プローブが冷溶液注入後の循環血液の温度低下に素早く反応しモニターします。このシステムにはCardiac Outputモジュール(温度希釈カーブから心拍出量を算出するソフ トウェア)、データ収録ハードウェア、アクセサリーキットが含まれています。(12頁参照)。


非観血血圧


PowerLabにNIBPラット用非観血式血圧測定装置とNIBP用マウスカフ・パルストランスジューサを使って、カフを膨らませマウスの尾動脈への血液の供給を遮断します。カフ圧は自動的にリリースされ、高感度パルストランスジューサが尾動脈に血液が流れ出すのを検出します。Chartソフトウェアで自動的にカフの膨張のタイミングを制御します。


血流


PowerLabに専用のレーザ血流計を接続して、血流が測定できます。観血及び非観血測定用の表面プローブと針型プローブが揃っています(12頁参照)。この方法では抹消血管の血流の変化も検出できますので、マウスの実験に最適です。


摘出心臓


ADInstruments社は摘出心臓標本を使用した心機能研究用の総合システムを取り揃えています。ワーキング ハートシステム(マウス用)には安定した実験環境を保つために特別に設計されたウォタージャケット式の蓋付きのハートチャンバーを使用しています。小容量メンブランオキシジェネレータがタンパク質や赤血球を含んだ灌流液のエアレーション効果を高めます。


内部接続型チューブ、灌流リザーバ、コンプライアンスチャンバーはウォータジャケット式になっており、灌流液の温度を一定に保ちます(22-23頁参照)。ランゲンドルフシステムは加温ブロックを備えており、低い流速でも灌流温度を一定に保ちます。このシステムはフローレートが遅く灌流液の温度低下が起こる恐れのあるマウスの心臓に適しています ( 20-21頁参照 )。


摘出組織


ワイヤーミオグラフシステムを使用すると直径60 µm程度の血管や尿細管組織を扱う実験が簡単で広範囲に行なえます。DMT Normalizationモジュールを使用すると、実験に使用する個々の摘出組織の前収縮状態を正確に測定できます。


実験に適した製品


研究用システム


個別アイテム


ソフトウェアハイライト