MLS065 DMTノーマライゼーションモジュール

DMT
組織の段階的膨満と張力測定を表示するLabChartファイル

MLS065 DMT Normalization モジュールを使用すると微小血管や管状組織実験における最適な前張力条件の算出が簡単です。測定にはPowerLab、LabChartソフトウェア、DMTワイヤミオグラフが必要です。

 

DMT Normalizationモジュールは自動的に組織の長さを算出し、組織の有効圧をオンライン、オフラインで演算して、これらの値から実験前に各組織切片に与える最適な前張力(マイクロメータセッティング)を算出します。

DMT
DMT Normalizationセッティングダイアログ

前張力は平滑筋の機能に影響するので、個々の組織に課せられる張力を標準化することが重要です。ノーマリゼーション処理は各組織が100㎜Hgの壁内圧下で弛緩するのに最適な内部サーカムファレンスを算出します。この指標はIC100として表示され、組織の収縮成分のサイズと量を考慮しながら、ワイヤミオグラフにマウントされる各組織ごとに算出されます。

DMT Normalization モジュールには顕微鏡キャリブレーションやターゲットプレッシャなどのパラメータを設定するNormalization Settingsダイアログが付いています。また自動化機能を使用した場合には、 IC1/IC100 比率、オンラインアベレージング時間、張力読み取り遅れなども算出します。

各Chartチャンネルには、組織の末端点(組織の長さを決定する)とワイヤの直径を入力するNormalizationウィンドウが付いています。このウィンドウにはマイクロメータ値や張力測定値がオンライン(記録中)、オフラインを問わず入力できます。算出されたC100 と IC1 から内部サーカムファレンス対血管の静止壁張力のグラフが作成されます。

DMT
マイクロメータと精密な張力トランスジューサを使って測定された組織の段階的膨満を示すDMT Normalization ウィンドウ。右のグラフは本モジュールによって算出された内部サーカムファレンスと血管静止壁張力から自動的に作成されます。

Normalization モジュールはこれらの値から最終のマイクロメータ設定を算出し、研究対象組織の均一で正確な前張力条件を求めます。

ワイヤミオグラフシステムにはPowerLabデータ収録システム、DMTワイヤミオグラフ、DMT Normalizationモジュールが含まれています。システムの詳細は62頁を参照ください。